「ビッグマックが500円になる」と聞いて、高くなったと感じた方も多いのではないでしょうか。日本マクドナルドは2026年2月24日、翌25日から一部商品の価格を改定すると発表しました。外食は毎月の固定費ではありませんが、共働き・子育て世帯にとっては“時間を買う支出”でもあります。今回の値上げは一時的なものなのか、それとも外食全体の流れなのか。本記事では、事実を整理し、価格が決まる仕組みと家計への年間影響を数字で確認します。感覚ではなく、判断材料を持つことが目的です。
ビッグマック500円へ|今回の価格改定で何が変わる?
日本マクドナルドは2026年2月24日、一部商品の店頭価格を翌25日から改定すると発表しました(出典:日本マクドナルド公式発表)。ビッグマックは税込500円となり、サイドメニューやセット商品の一部も引き上げ対象となります。ただし全商品が一律に上がるわけではなく、改定幅は商品ごとに異なります。
同社は2022年以降、原材料価格や物流費の上昇を背景に複数回の価格改定を実施しています。つまり今回の値上げは突発的なものではなく、ここ数年続くコスト上昇局面の延長線上にある動きと考えられます。総務省統計局の消費者物価指数でも外食分野は上昇傾向が続いており、外食全体の単価がじわじわと押し上げられている状況です。
特に「500円」という水準は象徴的です。ワンコインという心理的な目安を超えることで、値上げの印象は強くなります。ただし重要なのは、ビッグマック単体の価格よりも、外食単価全体が緩やかに上昇しているという事実です。単発のニュースとして受け止めるのではなく、家計環境の変化の一部として捉える必要があります。
なぜ値上げが続くのか|原材料・人件費・為替の三層構造

外食価格は主に「原材料費」「物流費」「人件費」の三つの要素で構成されています。ハンバーガーであれば、牛肉や小麦、食用油といった原材料は国際価格や為替の影響を受けます。円安局面では輸入コストが上昇しやすく、企業の仕入れ負担は増します。また、エネルギー価格の変動は物流費を通じて全国チェーン全体に波及します。
さらに人件費の影響も無視できません。厚生労働省の公表資料によれば、最低賃金はこの10年で全国平均150円以上上昇しています。外食産業は人件費比率が比較的高く、人手不足の影響も受けやすい分野です。賃金上昇は働く側にとっては前向きな動きですが、企業にとっては固定費増加となります。
価格転嫁には時間差があります。企業はまず原価削減や業務効率化でコスト上昇を吸収しようとします。それでも吸収しきれない場合、商品の一部を段階的に値上げします。今回のように「一部商品改定」という形になるのは、この段階的調整の結果と考えられます。
つまり価格は企業の気分で決まるものではなく、為替、賃金政策、エネルギー価格といった制度的環境の影響を受ける構造にあります。値上げは家計にとって負担ですが、同時に雇用維持や店舗継続のための調整でもあるという二面性があります。
年間いくら増える?利用頻度別で見る家計シミュレーション
では、今回の値上げは家計にどの程度影響するのでしょうか。仮に家族3人で月2回利用し、1回あたり合計300円上昇したとすると、月600円、年間では7,200円の負担増になります。月4回利用する家庭であれば、年間14,400円です。さらにセット中心で1回400円増となれば、年間19,200円に達します。利用頻度によって差はありますが、無視できない水準です。
総務省統計局の家計調査では、近年エンゲル係数(支出に占める食費の割合)は上昇傾向にあります。食費全体が家計を圧迫しやすい局面では、外食費の増加もじわじわと効いてきます。仮に年間食費80万円の家庭で外食費が12万円の場合、外食比率は15%です。ここに年間1万〜2万円の増加が加わると、その割合は16〜17%台に上昇します。数字は小さく見えても、家計構造としては「食費の重み」が増していることを意味します。
わが家でも、忙しい週末に月2〜3回利用しています。以前は深く考えずにセットを選んでいましたが、最近は単品注文やクーポンを組み合わせ、1回あたり約500円抑えています。利用をやめるのではなく、使い方を調整するという選択肢もあります。
点でニュースを見ると不安が膨らみますが、家計全体の構造から考えると判断しやすくなります。制度の仕組みや家計への影響を全体像で整理した制度と家計の基礎ガイドも、あわせて確認してみてください。
これから外食費はどう考える?判断基準と現実的な対策
今回の価格改定は全国一律とは限らず、立地や店舗形態によって価格が異なる場合があります。都市部や商業施設内の店舗では、標準価格と差があるケースもあります。利用前には公式サイトや店頭表示を確認することが大切です。ニュースの見出しだけで判断せず、実際の価格を確認する姿勢が冷静な対応につながります。
今後については、為替動向や原材料価格、エネルギーコストの変化によって、再び価格改定が行われる可能性もあります。ただし、価格は毎月のように上がるわけではなく、企業は一定期間コストを吸収したうえで段階的に調整する傾向があります。値上げが続く局面ではありますが、連続的に急騰する構造とは異なります。
判断基準として確認したいのは三点です。第一に、外食費が家計全体の何%を占めているか。第二に、値上げ分が年間いくらになるか。第三に、代替手段や調整余地があるかどうかです。この三点を数字で整理することで、「なんとなく不安」という感覚は具体的な判断材料へと変わります。
物価上昇局面では支出全体を過度に抑えがちですが、重要なのは優先順位の整理です。外食は単なる贅沢ではなく、時間を買う支出でもあります。家計全体の中でどう位置づけるかを考えることが、これからの判断につながります。
まとめ
ビッグマック500円という数字は象徴的ですが、本質は外食を取り巻くコスト構造の変化です。原材料費、物流費、人件費という三つの要素が積み重なり、企業は時間差を伴いながら段階的に価格転嫁を行っています。今回の改定も、その流れの中にある動きと考えられます。
家計への影響は、月2回利用で年間約7,000円、月4回なら1万円台後半になる可能性があります。ただし、注文方法や頻度の調整によって吸収できる余地もあります。まずは直近3か月の外食費を合計し、年間換算してみてください。数字で把握することが、不安を具体的な判断材料に変える第一歩になります。
参考資料
・日本マクドナルド株式会社 2026年2月24日発表 価格改定に関するお知らせ
https://www.mcdonalds.co.jp/company/news/2026/0224a/
・総務省統計局 消費者物価指数
https://www.stat.go.jp/data/cpi/
・厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/
・総務省統計局 家計調査(二人以上の世帯)
https://www.stat.go.jp/data/kakei/


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